近視手術について
近視は眼軸が伸びるか、角膜のカーブが急峻になることにより、結像が網膜の手前で起こるため、焦点が合わなくなる状態です。
(図1)
メガネやコンタクトレンズを使用して、光の曲がり具合を弱め、網膜上で結像するように
矯正します。
(図2)
近視矯正手術は、角膜中央部をレーザーで削り偏平化させて、光を曲げる性質を弱め、網膜上で結像するように矯正します。
●近視矯正手術とは
近視矯正手術は角膜を平らにして光の曲げ具合を弱くし、網膜の手前にある結像を網膜上に移動させる手術です。
平にする方法として、メスを垂直に入れる放射状角膜切開RK手術、角膜にメスを水平に入れドア状のフタを作って中身の部分にあたる実質をレーザーで削るレーシック手術、そしてレーザーだけを当てて角膜を蒸発(散)させるレーザー角膜屈折PRK手術があります。
その他、フェムト秒レーザーを使用して角膜の一部をくり抜くスマイル手術や、
角膜内レンズ、屈折矯正眼内フェイキックレンズ(ICL)等があります。
フェイキックレンズ(ICL)は失明の可能性を100%否定できない為、
近視手術としては、普及していません。
手術方法は角膜の厚さ、近視の程度、生活や仕事の環境などによって選択を必要とします。
ご相談下さい。
近視手術の比較表
細いビーム(以下スキャンビーム)を使用するPRK
角膜上皮は厚さや涙の状態が一定でない為、
レーザー照射量の決定が困難です。
まず上皮をアルコールに浸し、ふやかした後にブラシや刃でこすり落とします。
その後、スキャンビームで角膜を削ります。
平になった角膜は光を曲げる性質が弱まります。
LASEK
角膜上皮をアルコールでふやかした後、
上皮をこすり落とすのでなく、末端に切れ目を入れ
上皮をじゅうたんのようにグルグル巻に脇にどけておいて
細いスキャンビームで角膜実質を削るのが
レーセックです。
レーシック
角膜上皮実質を水平に刀(ケラトーム)でカットし、
ドア状のフタを作ります。
フタを開けて細いスキャンビームを照射し
角膜実質を削ります。フタは元に閉めます。
刀を使い回して起きたのが、銀座レーシック事件です。
イントラレーシック
レーシックの水平カットをレーザーカンナで行います。
眼球に無理な圧力がかからないので、
網膜剥離や出血のリスクが少なくなります。
水平カットしたフタを開けて、
スキャンビームを照射して
実質を削ります。ドア状のフタは元に戻しますが、
フタを作ることにより、角膜が持つ球面としての
一体性が失われ、構造的に弱くなります。
太いビームを使用するスーパーPRK
通常のPRKはまず角膜上皮をこすり落とし、次に実質モードに切り替え、照射を完了させます。スーパーPRKの場合はオールインワン照射です。太いビームが上皮モードから実質モードまで一括照射を可能にしました。
スーパーPRKはスーパーフィシアル、つまり超薄面を無駄なく利用してPRKによる角膜矯正を行うという意味です。スキャンビームでも角膜上皮から照射するトランスエピセリアルPRK、別名ノンタッチPRKがあります。フタを作らずに照射するのでフラップレスレーシックとも呼ばれます。
他にラゼック、エピレーシック等はPRKのように角膜上皮をコスリ落とすことなく、またレーシックのようにフタを作らないので、どちらの方法にも該当しません。PRKとレーシックの中間に位置し皮一枚のフタ作りをすると言ってもいいでしょう。
パーク近視手術/レーシック/ICL
提供いただいた表を、Web掲載向けに見やすい比較テーブルとして整形しました(スマホではカード表示)。
| 項目 | パーク近視手術 | レーシック | ICL |
|---|---|---|---|
| 手術内容 | 上皮を含めて全てレーザーだけで矯正します。目には一切触れません。 | 角膜にフタを作り、 レーザー照射 | 目の中にレンズを入れる |
| 所要時間 | 5分程度 | 10分程度 | 15分~20分程度 |
| 費用 | 10万~ | 10~50万 | 40万~60万 |
| 適応範囲 | 強度近視 | 近視 | 強度近視 |
| 遠くの見え方 | 矯正された視力は生活環境に合わせて少し近視が戻る可能性がある | 矯正後に近視の戻りが起きにくい | 鮮明でクリア |
| 近くの見え方 (老眼のなりやすさ) | 術後、老眼を早めることはない | 老年によっては、老眼の存在に気づく | 老年によっては、老眼の存在に気づく |
| 遠近の見え方 | 近くと遠くに対応する多焦点レンズ | 遠くがみやすい単焦点レンズ | 遠くがみやすい単焦点レンズ |
| 調節負担の起こりやすさ | 起こりにくい | 起こりやすい | 起こりやすい |
| 修復可能性 | 角膜構造が最も安定しやすいので再手術しやすい | 角膜を削るので戻せない | レンズを取り外せる |
| リスク | 感染症のリスクあり | 合併症・後遺症のリスクあり | 感染症・白内障のリスクあり 失明の可能性あり |
| 回復 | 早い | 早い | 早い |
| 通院 | 翌日~2週間、その後半年程度で治療終了 | 翌日~1週間、その後半年程度で治療終了 | 翌日~2週間、その後半年程度で治療終了 |
| 手術後の痛み | コンタクトレンズの異物感のみ | 軽い | 軽い |
| 感染対策 | 目薬(2週間) | 目薬(1週間) | 目薬(2週間) |
| お風呂 | 翌日から可能(目に水が入らないように) | 翌日から可能(目に水が入らないように) | 翌日から可能(目に水が入らないように) |
| 洗顔 | 3週間は目に水を入れてはいけません | 3週間は目に水を入れてはいけません | 3週間は目に水を入れてはいけません |
| 運動 | 翌日から可能 | 翌日から可能(激しいスポーツは1週間以降) | 翌日から可能(激しいスポーツは1週間以降) |
| 向いている人 | 長期安全性重視の人 | 回復を最優先したい人 | 強度近視・角膜が薄い人 |
| 年齢制限 | 40歳以上も可能 | 40歳くらいまで | 40歳以上も可能 |
| 日本での情報量 | 少ない | 多い | 増加傾向 |
近視手術の進化
切る → 削る → 小切開 → 削らない という流れ
現在は「削るか・削らないか」も含め、患者ごとに最適な方法を選ぶ時代です。